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死刑執行までのタイムリミット!!人が生きる目的と理由とは?『高野和明:13階段』

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突然ですが「13階段」って何のことか分かりますか?

あら、うちの階段は12段よ。

惜しいです、あと一段(笑)

ちょっと残酷な内容なんですが絞首刑の台の階段が13階段ということからきています。
(ほかにも諸説あります)


しかし、実際はそんなことはなくて階段の段数はさまざまです。

日本では「死刑執行」の隠語として使われています。

ちょっと重い雰囲気になってしまいましたが、今回はその「13階段」がタイトルになっている小説をご紹介します。


作者は高野和明さんです。

本作品は第47回江戸川乱歩賞受賞作でもあります。

2001年の発行と少し前の小説ですが「13階段」というタイトルのインパクト以上に内容は面白いですし、非常に考えさせられる内容です。

高野和明さんについて

本作品は高野さんのデビュー作品です
(デビュー作品でこんなにすごいの書けるのかって驚きました)


解説で宮部みゆきさんが絶賛しているのも納得です。

やっぱりデビュー作品でスゴいって思った作家さんはすごいですね(笑)


ちなみに、僕は辻村深月さんのデビュー作品にもノックアウトされました。
辻村深月さんこれがデビュー作品なの!?面白すぎてなぜか「女神転生」を思い出した!!『冷たい校舎の時は止まる』 - ろんぶり


高野さんはたくさんのヒット作を出されています。

「ジェノサイド」「グレイヴディッガー」「6時間後に君は死ぬ」「K・Nの悲劇」「幽霊人命救助隊」などがありますね。


幽霊人命救助隊についてはこちらでご紹介しています。
幽霊が人助けをしたっていいよね!?私はこの本に助けてもらいました!!『高野和明:幽霊人命救助隊』 - ろんぶり


高野さんの小説はいつも読み終わったあとに考えさせられるんです。

要約

傷害致死の事件を起こし服役していた三上純一は仮出所を許されることになる。

その三上に対し刑務官(元)の南郷がある仕事を依頼をしてくる。

その仕事とは樹原という死刑囚の冤罪をはらすための証拠集めだった。


しかし、死刑囚の樹原はバイク事故により犯行時刻前後の記憶がなく、やがて思い出した一部の記憶は「階段」を上っていたことだけだった。


三上と南郷は樹原の冤罪を証明するために奔走していくが、やがて三上の過去の事件と樹原の事件とがつながるはじめる。

死刑執行のタイムリミットが迫るなか、三上と南郷は樹原の冤罪を証明することができるのか、二人は樹原の命を救えるのか。


はたして樹原が思い出した「階段」とは、なんだったのか。

いったい真犯人は誰だったのか。

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感想

死刑とか冤罪とかちょっと重い内容でしたが、読み始めたらもう手が止まりませんでした。

刑務官という仕事はほとんど知らなかったので、南郷が語る刑務官の仕事についてはとても興味深かったです。


死刑執行の詳細については小説を読んでいただきたいので省略しますが、南郷が感じていたストレスは相当に苦しかっただろうと読みながら痛感しました。


事件の最初に携わるのが警察官で最後に携わるのが刑務官なんですね。

日常のニュースで流れるのは誰々が事件を起こして捕まり、その後の裁判で懲役何年になりました。

というところまででなかなかその先は知らないですよね。


以前、刑務所の特集みたいな内容のテレビを見ましたが、最近は外国人の受刑者が増えたことで宗教や食事の問題が大変だと伝えていました。


さて、少し話がそれてしまいましたが後半の展開はまさしく手に汗を握る状態間違いないです!


三上の過去の事件に隠されていた事実が明らかになり、樹原が殺したとされる被害者の本当の顔。


樹原の思い出した「階段」とはどの階段だったのか。



それから、三上の心の葛藤についても悩ましく感じながら読みました。

「俺は、死刑囚の冤罪を晴らすという仕事を引き受けたんです。一人の人間の、命を救う仕事をね。ところが、もし真犯人を見つけてしまったら、結局は別の人間を死刑台に送り込むことになるんじゃないですか?」


引用元:本著 P156より

おまけ的・個人的に思ったタイトルの「13階段」にちなんだ本文中に出てくる「十三」と「三十一」という数字の表現について

本文中に出てくる数字について少し勝手に考えてみました(笑)

本文中に出てくる「十三」という数字の表現について思ったこと

命令書はいよいよ法務大臣へと運ばれ、そこで十三人目にして最後の決裁者となる判断を仰ぐことになる。


引用元:本著 P242より

「十三人」が出てきましたよ!

このシーンは樹原の命運を分ける死刑命令執行書の決裁についてですね。

純一は明かりを下ろしながら、段の数を数えてみた。するとそれは十三あった


引用元:本著 P338より

後半のシーンで物語の重要な場所ですね。

階段はあの階段なのでしょうか。

本文中に出てくる「三十一」(31)という数字の表現について思ったこと

13階段の「13」の「十三」をひっくり返して「三十一」(31)なのかなあと個人的に思ったところについての引用と感想です。

(無理やりですけど…)

南郷は、青信号で車を出しながら、新聞社の記事検索で知った『31号事件』について話した。


引用元:本著 P222より

「31号事件」が出てきましたが、気のせいでしょうか。


最後は名前の最初と最後の漢字の「三上純一」の三上の『三』と純一の『一』を合わせると「三一」になり1人でうおっと思いました(笑)


これは僕の勝手なこじつけですね(笑)

重たい死刑執行というテーマについて考えてみるきっかけになりました

死刑制度については、反対の立場の方と賛成の立場の方がいらっしゃいます。


僕はどちらの立場でもありませんが、この本を読んで少なくとも死刑制度について考えるきっかけをもらいました。


すぐに答えが出る話ではないので考え続けていきたいと思います。



お伝えし忘れていたことがありました。

13階段は映画化されていますが個人的にまったくオススメしません(笑)

関連

ちょっとした豆知識(になるのでしょうか?)をご紹介します。


「被告人」と「被告」の違いについて


「被告人」というのは【刑事裁判】で使われる言葉です。


それに対して「被告」というのは【民事裁判】で使われる言葉です。


民事裁判では裁判を求めた方を「原告」といい、訴えられた相手を「被告」といいます。


ここで注意してもらいたいのは民事裁判でいわれる「被告」は刑事裁判の「被告人」ではありません。


ときどき、民事裁判で私は何も悪いことをしてないのにどうして「被告」になるの?という話を耳にすることがあります。


これは、単に民事裁判をおこされた立場でしかありません。


刑事裁判のように悪いことをしたわけではありません。


「人」の一文字があるかないかでまったく意味が違います。


この原因はおそらくテレビや新聞が、民事裁判でも刑事裁判でも同じように単に「被告」といっているからかもしれません。


マスコミ内で何かしらのルールがあるのかもしれませんけど。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。